NO.001

■ 湾口の甘鯛

師走もあと僅かで終わり。後は年を越すだけとなったある日、6人で甘鯛を狙う。
金田漁港から小船の仕立てで出港、東京湾の入り口、急に狭くなる走水と金谷の間は三浦
側と房総側からの谷間となって深く切れ込んでいる。その駆け上がりに沿って仕掛けを落と
していく。

甘鯛釣りは、60〜80号の錘に天秤・ハリス3号で4mの二本バリで餌はオキアミ。手も汚れ
ない奇麗な釣りである。もう50年以上も、この海を見続けている古老の船長が、釣りかたを
おもしろおかしく男性の好きな話題を盛り込みながら教えてくれる。

底をとって糸ふけをとり、1m蒔いて竿先を軽く数回しゃくる。その後ゆっくりと竿先を目の高さ
まであげる。アタリの感覚、竿先を今度はゆっくりと空に向ける。竿先が絞り込まれる。
リールを蒔いて一旦竿先を海面まで下げて今度は素早く竿先を持ち上げる。確かな手応え。
乗った、重量感が伝わる。
この日は竿頭、7匹の甘鯛を釣り上げた。



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最初はソルトウォータールアーから始めた海釣りだが、1年間かかって釣れた魚が
ルアーよりちいさかった。それを期に沖釣りを始めるようになる。沖釣りなら
仕立てでと思っているが気まぐれな友人達が多くかなかなかその機会は少ない。