NO,004

■ 磯物

素潜りをやっていると時々良い事がある。
大潮の干潮時、いつも海水の下に隠れていた磯が顔を出す。普段の磯の風景とはちょっと違うの
である。何が違うかというと貝類が浅瀬に上がって来るのである。よく春の大潮には産卵の為、
沢山上がって来るが、産卵時に毒を持つ貝があるので採取する時にはある程度の知識がいる。
また春の海はとっても冷たいので素潜りは、かなりの根性と忍耐と白い眼の視線を無視出来る
強靭な精神力が必要となる。
しかし、夏の海はそこらじゅうに泳いでいる人は沢山いるので視線を気にする必要は全くない。
で、良い事があるというのは、平気で泳いでいられるという事では無くて貝が、うじゃうじゃいる
確率が高く、磯場の上や浅瀬の水中で沢山採取出来るのである。

その貝であるが、一部の地方では様々な貝を総称して磯物と呼んでいた。
さて、それはどの地方でしょう?これを読んで閃いた方・ご存知の方はお便りを下さい。きっとUKI
の生まれた地方と同郷の方かと思います。メールは方言を散りばめてご返信致します。
その磯物であるが、大別すると最も見栄えも味もいいのがシッタカだが最近は、あまり見か
けない。トコブシもこの範疇に入るがこれは一説にはアワビより旨いとの事で乱獲されてしまう。が
丹念に探すといる。コツは石をひっくり返す事。運が良いとバフンウニもいたりする。が何と言っても
主役はレコード板のような蓋を持つ貝である。名前は忘れたが磯物の主役である。これは食べて
も美味しいが良い出汁が出る。
茹でた貝はおつまみにそして、その茹汁で味噌汁をしたら「あ〜生きてて し☆あ☆わ☆せ 」となる。
変わったところでは、ヤドカリ。かわいそうという声もあるがなにせタラバカニと親戚である。
茹でて真っ赤になったのを口に入れると香ばしさと甘みと潮の味が広がる。
また超珍味はヒザラガイである。
岩に張り付き鱗のような甲羅を持つちょっと気味が悪い貝である。鱗と周りの苔状の皮を岩で擦っ
て削り、そのまま口に入れるとアワビの水貝かと思うような味である。
ところで注意したいのが、その程度をお遊び程度の獲るのはいいが沢山採ったりまた食べ
られないような小さな貝まで採ったりしない事。特に水中では大きく見えるので注意が必要である。
まためったにお目にかからないがアワビやサザエはけっして採らない事、大変怒られます。



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エアクッションのフロートに乗って波間に浮かびながら昼寝をするのが、
最高に幸せの時である。同様にシュノーケルとフィンを着けてジャックナイフで
潜り、水中のうねりに身を任せる事で心は、開放される。