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NO,001 |
■ ビーチグラス
釣りも潜りもしない渚、浜辺を逍遥する午後、無心に足元の砂のひと粒ひと粒を見つ
めるその時間は、時も止まり音さえ聞こえない瞬間を楽しむ。
何やってんの?
決まっているじゃないですか。ビーチグラス探しているんですよ。
元はゴミ、いうなれば不法投棄。ガラス瓶が海に捨てられ、時が過ぎやがて角がとれ
小片となる。それがビーチグラスです。
海流とその流れに乗ったところしか見つかりません。
淡いグリーンと深いコバルトブルー、このふたつはみっけもの。よく有りまた魅力が無いのは
透明なガラスと茶色のビーチグラス。
3年間採り溜めたビーチグラスで高さ40cmのランプシェードを作った事があった。
が、我が家の猫に破壊された。それ以来ランプシェードは作っていない。
最近ビーチグラスの小片をピアスに加工しこれを売っているお店を見つけた。その店の値段で
換算すると、我が家のランプシェードはそのビーチグラスの量からいっても40万円という
評価となる。
よく結果が伴った有益な行為という事が評価される事が多い中、ビーチグラスはその
最右翼にある。何故ならばこれくらい探している時間がキラキラ輝いているのに対し、その後の
時間が蒸発するように瞬く間に色褪せる行為は他には知りません。いわば無益の行為である。
だから今日も無心に渚で砂のひと粒ひと粒を見つめるのである。無償の行為として・・・
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