収穫

NO,002

■ 鶯の鳴く空と海

2003年4月

4月中旬、今年始めての「逗子のボート」である。
桜が咲いたらボート始めと決めている。がここのところ週末は雨続き、やっと晴れた日曜日、
午前5時すこし前に出発、午前6時ちょうどに逗子のボート乗り場に到着。駐車場はまだまだ
空きがある。夏の終わりにはこの時間帯でも既に満員である。がまだシーズン半ばでもあり
余裕である。と調子に乗ってすこしゆっくりすると満員の憂き目に逢う。
オンシーズンのボーダーラインは5時45分か?

今年はあまり釣果が良くないらしい。それでも鯵が来ている。今日は去年同時期の様相を
考慮し、まずすこし沖で鱚釣り・その後さらに沖で鯵釣りとする。鱚の餌は、ジャリメとイソメ。
鯵はコマセである。数分漕ぐと鱚が居そうなポイントに着く。流しながら魚信を見る。数回投
げると小刻み魚信、鱚である。
食ったかと思ったらどうやら吐き出したようである。ここにアンカーを打つ。欲張りにも3本竿
を出す。アンカーを軸に左右に流れるボートの動きを利用し両側に投げた竿2本とミヨシ近く
に直下に落した竿1本、仕掛けは3本針で軽めのオモリを付けた誘導天秤である。

今日は信じられないくらいに風と波が無い。のどかではあるがあまりに静かで魚の気配すら
感じない。風で左右に流れるボートの勢いを借りて釣るこの3本竿釣法、今日はあまり芳しく
無い。風が無い時には、欲をかかずに正統派一本竿、こまめにリールを捲く釣りが急がば回
れのようである。また、まだ春先早いせいか鱚の喰いが浅い。先程から数回魚信があるもの
の乗ってこない。餌は軽く吸われた程度。
こまめに餌替えして約半刻程過ぎた時、捲いていた竿がグッグッっと撓って上がってきたのは
26cmの大きな鱚だった。今年初の鱚としては大きいサイズだったので水中で見えた時には、
この魚何だぁ?と思った程である。水中の魚は意外に大きく見える。そして、逃がした魚はさら
に大きい。が今日はしっかりとボートに上げる。これで本日の刺し身1品は決まりである。

気を良くしたものの、後が続かない。ここ1年考えてみれば後が続かないの連発である。夏、
西伊豆に泳ぎに行った際のボート釣りでカワハギ一匹、大黒での鯵釣った時も一匹だったし
船でもカワハギ1匹、さらにアマダイも一匹である。

結局餌が無くなるまで3時間、10時を回ったのでこのままでは嫌なジンクス5連発になりそう
なので沖を目指す。今日は風が無いせいか、逗子湾名物ディンキーも登場しない。静かな海
にオールを漕ぐ音と近くの森では鶯の声、海は静かでぼんやりと靄が立つ。
まさに春うららである。
が靄のせいで山立て出来ない。一応魚探は持っているが気分屋で沖に出ると電源が入らない。
陸ではちゃんと電源が入るのが不思議だ。

今日はボート乗る前に試しに陸で電源を入れたら陸でも入らない。ここ2年程使ってないしね
仕方無い。沖に来るとすこし靄は晴れて何とか山立てが出来る。いつものポイントでアンカー
を打つ。

コマセを用意し、今日は試しにピンクのコマセカラーのスキンサビキとレインボーカラーのハデ
ハデサビキの2種類をそれぞれの竿に付けて2本竿で釣り開始である。コマセ籠を下ろして、
しばし魚信が無い。とても嫌〜な感じである。コマセを入れ替える事数回何やらピンクスキン
の竿にビミョウーな魚信、何だぁと思い竿を立てると軽い引き。リールを捲いて上がって来たの
は鯵だった。しかしこの鯵何やら細長いぞ!!顔もすこし精悍である。マアジの特徴である、
ほっぺたの黒く丸い斑点も無い。魚信も変である。アオ室鯵でした。この後魚信は数回続き、
両方の竿にアオ室鯵が食いついてくる。がピンクサビキの方に軍配が上がる。
そうこうしているうちに12時を回る。まだコマセは有る。マアジであればもっと気合が入るのだ
が、アオ室鯵ではね〜、どうしようと思う間に1時は過ぎる。魚信は一時期だけであった。

ところで全然話は変るが、先日都内某所で道路に面したガラス貼りのスポーツジムがあり、
みんな一生懸命に窓の外の通行人に向かって機械の上を走っていた。それをボ〜と見ていた
UKIは同じようなお金を払ってガラスの中で同じ風景を眺めながら汗をかくのと、静かで綺麗
な空気と風景を愛で、さらに運が良ければ、オマケで魚が付いてくるボート釣りは、どちらが心
和んでさらに得をするかつくづく考えた。

逗子のボート釣りは、青物のポイントまではちょっと遠い。約20分強漕ぎ続けなければならない。
これはとても良い運動となる。さらにさらに、普段は帰りは船外機付きボートで岸まで引っ張って
いってくれるが無風状態の時は、帰りもさらに漕いで帰る事が出来る。同じ料金でエクササイズ
2回分楽しめるのである。
「いつもは12時に迎えにくるよなぁ、午後1時過ぎたら迎えに来てくれるかなぁ」と沖でぼんやり
待っていたUKIは、本日帰りの分のエクササイズも堪能する事が出来た。お陰で暫く腹筋が、
小刻みに震えていた。


本日の釣果
鱚1匹・アオ室鯵10匹
鱚は、小坪の魚屋で買ったカツオ・シマアジ・蛸と一緒に刺し身とする。
ちなみに小坪名物生しらすは、まだ船が帰ってこないので無しである。
アオ室鯵は、タタキと干物とする。なかなか乙なものである。

多分去年の同時期かすこし後の時期の「海のボート釣り:鱚・真鯵リレー釣り」はここをクリック。

今回の教訓
諦めない。迎えが来ない時は諦めて自分で漕ぐ。悪い事の後には良い事がある事もある。





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静かな海で一人ぼうっ〜と出来る。上腕と腹筋を鍛えるのに最適。
スポーツジムと比べこちらは時々魚のおまけが付くなど、海のボート釣りは
良い事づくしです。よく出掛ける逗子湾沖を中心にお伝えします。