浅草案内


NO,023

■ 駒形どぜう六代目の浅草案内

9月

著者:越後屋 助七
出版:株式会社 小学館

UKIは下町生まれである。
しゃきしゃきの江戸っ子ではないが、廻りには江戸弁を使いこなす大人が大勢いてその中
で育ったせいか時々江戸弁を聞くと妙に懐かしくなる。最近はそんな江戸弁を話す人も減り、
大変寂しい限りだが、そんな懐かしい語り口で綴られたのが本書である。

著者は、UKIも時々食べに行く江戸時代から続く老舗の六代目主人。
文化財的な浅草の老舗を同じ仲間の視点から紹介している。長年付き合った人でしか聞き
出せないちょっと良い話が散りばめられている。
ロールスロイスでやってくる紋付袴の老人と地元の爺さんが相席の天ぷら屋で昔話に花を
咲かせていたり、外国人観光客や歌舞伎の関係者が買いに来る日本一の付け襟のお店が
在ったり、どこかの繁華街にはけっして無い、風格と本物を守り続ける老舗が数キロ界隈に
点在している。

そういえば、UKIの友人も浅草や下谷、谷中に引越す人が多い。
普段、仕事で都会の殺伐とした喧騒の中過ごしていても、その近くには温もりのある街が在り
そこで疲れを癒すのであろう。








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2003年に読んだ本の中からの紹介です。