トンデモ本の世界


NO,021

■ トンデモ本の世界

9月

編者:と学会
出版:株式会社 宝島社

世の中には、様々なサークル・勉強会が存在する。
UKIの主催する「援農草刈隊」「関東棚田組」「首都圏網引き隊」もサークルと呼ばれる
ものだし、UKI自身も3〜4のサークルに参加している。そんなサークルが研究を目的に
まじめに活動を始めると学会なるものに発展していく。
例えば「うさちゃん学会」という通称を持つ医療従事者の極めて真面目な学会なるものも、
世の中には存在しているらしいし、今回取り上げた「と学会」なる極めて専門的な分野に特化
した内容を研究する学会も在る。興味の無い人にとってはどうでも良い事であるが、その道を
真面目に考えると大変奥が深いという良い例である。そんな極めて真面目な学会報告が文庫本
にまとまったのが本書である。

「と学会」とは何か?以下本文中にわかり易くまとめた文がある。
「と学会は、その名のとおり、トンデモないことを書きまくる超常現象本を”深く愛する”
人々の憩いの場となっている。」
要は、超常現象を紹介しベストセラーとなった本の中で、勘違いやトンデモない間違いや、
論理的におかしい本をいかに間違っているかトンデモないかを分析して著者の暴走ぶりを
楽しむと共に、正しい・正しく無いはともかくその論理展開やハチャメチャな構成ぶりを
評価して年に一回表彰しようという会である。

その発表と表彰はどこで行われているか?
日本SF大会で「トンデモ本大賞」というコーナー企画を設けて毎年表彰しているらしい。
ちなみに2003年は、日本SF大会とは別に独立したイベントとして我が道を歩みだした
ようである。その辺のいきさつは知らないが、興味の有る方はインターネットの検索サイトで、
「日本SF大会」または「と学会」とキーワード検索して見てください。こんな世界が在った
のかと1時間は楽しめます。

ところで、この本427ページと大変読み応えがある。にもかかわらず「と学会」会員が各々
専門分野を担当してこの1年間の自己研究の成果を熱く語っているのでついつい引き込まれて
しまう。
実は、本書は1999年に発売されておりUKIも過去4年間時々思い出し何回か再読している。
その間ついつい引き込まれ電車で駅を乗り過ごす事3回、バスで停留所を乗り過ごし歩いて帰る
事1回、大変罪な本である。
UKIも常々、公共の交通機関で乗り過ごしたり、笑いを堪えて周囲の人から気味悪がれるその
ような大変罪作りな本を愛でる「電車・バス等の公共機関で読書する事により大変な誤解を招き
かねない極めて危険で面白い本を研究し、敬意を持って表彰する学会」略して「で学会」発足を
夢見ているのであるが、もし万が一賛同者が多くいてそのような学会が出来たとしたら「と学会」
と提携を結んでみたい。







前のお話へ 次のお話へ


空の写真 今月の本(2003)
面白かった本などを紹介します。
2003年に読んだ本の中からの紹介です。