完本 大江戸料理帖


■ 完本 大江戸料理帖

1月

著者:福田 浩・松藤 庄平
出版:株式会社 新潮社

だいたいタイトルを見て読んでみようと思う事が、本を読む動機の約70%近いUKIで
あるが、このタイトルにはやられたね。思わず笑っちゃうよね。
で、もちろん読んでみました。

料理の写真が、大変綺麗な本である。また、江戸時代の料理をかなり忠実に再現している。
素材、作り方、盛り付けなど文献を参考にしていて、なかなか有りそうで無さそうなきちん
とした再現料理となっている。この本のタイトルにしてしかりである。よくよく考えると、
有りそうで無さそうなタイトルだよね〜。
ところで本書では江戸料理を再現するにあたり、かなり苦労した事に触れている。
「常のとおり」とか「調味お好みしだい」とか、文献を探るとそんなフレーズに当たるんだ
そうである。まるでUKIの「今月の料理」と同じである。
料理人だったら分かるだろうとか常識で考えろとか、昔の料理本はそんな職人気質に溢れた
本だったのだろう。現代でもそんな気質に溢れた料理の紹介ページがありますよ。
詳しくは我がサイトのここを↓
天の巻:今月の料理インデックス

ところで話には聞いていたが、こんな料理だったんだぁと本書の写真を見て初めて知った、
料理の数々
・昔の桜餅 葛粉を蒸して粉取りして餅の風情を出している
・玉子ふわふわ 柔らかさはこんな感じなんだぁ、またダシが濁っていない!
・筍羹 海老のすり身の赤が何とも言えなく綺麗
・白瓜冷汁 よく味噌を布で漉した味噌汁というのがあるが汁はこんな色に
・夏の凝り 江戸料理の盛り付けの見本みたいなもの
・精進鮑 マツタケで作る鮑もどき、なんて贅沢な!
・華豆腐 本書の中で圧巻な料理 こんなの初めて見た
・麩の焼き 話には聞いていたが写真を見てへぇ〜
・はじき葡萄 見ているだけで清涼感が伝わってくる 締めでこんな料理が出たら凄いね
・軍鶏鍋 そうでしょうそうでしょうこんな鍋だよね、野菜は長葱のみ
・数の子和え物 なんと黒胡麻で和えるんである
・合歓豆腐 豆腐と餅と葛餡シンプルだけどその名と姿が艶っぽい
・くわい金団 栗でもさつま芋でもないんですね一度食べてみたい

いやいや見事な料理とその写真、こんな本を読んでいるとおなかが空いてくる。
















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面白かった本などを紹介します。
2007年に読んだ本の中からの紹介です。