家庭でできる堆肥づくり百科


■ 家庭でできる堆肥づくり百科

  12月

編者:デボラ・L・マーチン グレイス・ガーシャニー
訳者:岩田 進午 佐原 みどり
出版:社団法人 家の光協会

タイトルの長い本である。タイトルの長い本はあまり好きでは無いのだが、パラ
パラと本をめくっていくうちに、これは面白そうだと読んだのがこの本である。

循環型環境保全の観点から、またエネルギーの無駄な利用を抑える為地元で出た
廃棄物を使って堆肥化し、それをまた地元の作物に役立てるというコンセプトの
元、堆肥化の歴史とその作成方法、注意点をまとめている。
この本、総ページ数が334ページあり、1ページあたりの文字数も通常の新書
版と比べると1.5倍はある。情報量も多く、なかなか中身の濃い読み応えのある
本である。

なかでも、堆肥の作成方法として以下紹介されている。
・インドール方式
・カリフォルニア大学方式
・バイオダイナミック方式
昔、インドで行われた方法をヒントにしたインドール方式を始めとしている。
そして、それを改良したカリフォルニア大学方式・バイオダイナミック方式が、
現在の堆肥製法のスタンダードとなっているらしい。

いずれも、改良好気性製法と嫌気性製法を組み合わせた方式で、切替しを行い、
醗酵を促進させる事で生産性をあげる方法である。
また、これを家庭で簡単に行えるようにした様々な器具も紹介されている。

巻末で、本書は自分で堆肥を作れない場合には、地元の堆肥を購入しようと呼び
掛けている。自然資源を節約し、地域に経済的および、環境的な利益を提供する
事が出来るからだと説いている。
最近の日本は、ともかく経済的利益が優先されるが、今の日本が、経済的利益と
同等に環境的利益を考えているかというと、はなはだ疑問である。




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