ばっちり朝ごはん    

NO,004

■ ぱっちり朝ごはん

  9月

著者: 林 芙美子 他
出版: 株式会社 河出書房新社

最近、読んでも面白そうな本があまり無いので、同様のテーマを
色々な作家がエッセイとして書いているものを集めた本を、何冊
か読んでいる。そしてそのテーマは、ご飯や鍋やお肉やラーメン
等々と食べるものばかりである。
昼時に読んでいると、思わず、美味しいお昼ご飯が食べたくなり、
ダイエットの為には、揚げ物が多い外食のお昼ご飯を抜いている
UKIとしては、ある意味辛い地獄のような本ではある。
が、同じテーマで書かれている作家の各々の作風を見比べるのも
楽しいので、食欲と戦いながらついつい読んでしまっている。

そんなテーマ毎に集められたエッセイ集の中で、ひときわ面白い
内容だったのが本書である。

ここに載っている作家は以下の通り。
林芙美子
色川武大
久保田万太郎
角田光代
よしもとばなな
石垣綾子
堀井和子
森下典子
井上荒野
佐藤雅子
万城目学
山崎まどか
吉村昭
小泉武夫
山本ふみこ
團伊く磨
椎名誠
西川治
東海林さたお
池波正太郎
小林聡美
阿川佐和子
蜂飼耳
渡辺淳一
向田邦子
河野裕子
筒井ともみ
堀江敏幸
窪島誠一郎
増田れい子
川本三郎
久住昌之
徳田孝夫
立原正秋
佐野洋子

沢山居ます。

で、この本。
食にまつわる色々なエピソードが書かれているのだが、少し様子
が変なのである。

前半は、読んでいて、ああ〜この料理を食べたてみたいなぁ〜と
思うのであるが、後半、久住さんの文章辺りから、段々と変にと
なってくるのである。どう変かというと、読んでいてこの料理を
食べたいという思いよりも、食に関連した作家自身のエピソード
の方に興味が引かれて行くのである。
そして、そのエピソードも何だか変なエピソードなのである。

どう変かは、本書をお読み頂く事をお勧めするが、どう見ても、
この本の作家の順番の構成と、そのエッセイの内容の選択は編集
者の趣味が多分に働いていると思われる。
最後の方で、編集者の思いが爆発しているとしか思えない。

こういうちょっと変わった構成の本は、大好きである。






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