饂飩の準備
水回し
捏ねる
菊練り
足踏み
延し
麺棒で延ばす
さらに延ばす
切る
叩いてほぐす
収穫

NO,009

■ 饂飩パーティ

上州の畑からの収穫物で、畑をやろうというきっかけとなったその作物が小麦だった。
収穫された小麦を粉に引くと、ほのかな香りとその味は市販の物とは全く異なりその楽しみ
の為に、夏の暑い中での刈り取りと脱穀も精が出るのである。しかし、これは本当にキツイの
だが・・

その収穫物を存分に楽しもうという事で今回の饂飩パーティとなったのである。場所は、都内
某大学。上州の畑を運営している「沼田プランテーションの会」と我が「援農草刈隊」、それに
その大学の研究室とのコラボレーションである。
ちなみにその研究室は、饂飩の研究を行っている訳でも無く、また市民の実践農業のあり方を
研究している訳でも無い。たまたま先生が上州出身で子供の頃から饂飩に親しみ饂飩打ちが、
嫌という程体に染み着いている事、学生と研究室で宴会をする時に最もお金が掛からなく、かつ
お腹が膨れる方法として小麦粉を饂飩に捏ねて自分達で食べるところに落着いたらしい。
以来この研究室では伝統となっており饂飩教室が開ける程設備と技術が集約されている事を聞
きつけたのである。
「沼田プランテーションの会」にとっては自分達の収穫物での饂飩作りの方法を学べる事。
「援助農草刈隊」は汗して収穫・脱穀した小麦で思いっきり酒が飲める事。
「某大学研究室」にとっては今まで極限にコストが掛からない宴会が殆どタダで行える事。
ここに互いの利害が一致し、今回のコラボレーションとなったのである。
なお、某大学と書いているのは研究室内では宴会を開いてはいけないという規約が一昨年から
出来た事、また部外者が研究室には入っていけないという理由によりその名は伏せさせて頂い
ております。


さて、饂飩パーティの内容だが、
@ 小麦粉をボールに入れての水回し。
A 捏ねる。いわゆる菊練りを行う。
B 足踏み。
C 再度捏ねて、足踏み。これを都合3回行う。
D 2時間以上寝かせる。その時間を使って宴会。
E 寝かせた生地を麺棒で延ばして切る。
F いっぱいのお湯で約11分茹でる。
G 流水に晒して揉む。
H 食する。
I さらに宴会。

となる。

今回収得した技は、
@ 小麦粉10に対して冬は水4夏は少なめ、塩0.4の比率となる。塩は水に溶かしても良し、また
  そのまま小麦粉にまぶしてから水回しをしても良しである。
A 捏ねる場合菊練りと称して左手で小麦粉の固まりを30度くらい持ち上げ、右手で固まりをさらに
  持ち上げながら手の平親指の付け根のところで折込むように体重をかけて押し込む。
B 足踏みは、中央は余り踏まずに両足のかかとを合わせハの字として廻りながら延ばしていく。
  ぐるぐると廻り、目が廻ったら反対に回転する。
C 平らになったら折込んでまた玉状にして踏む。もういいかなという目安は硬さ・感触とも先生曰く
  「授乳時の女性の乳房、20代に限る」独身者には饂飩は打てないのである。
D 特に技は無し。強いて言うならここで呑むのに夢中で本来の目的を忘れない事。
E 生地は手前から巻く、これも体重を掛けてハの字に手で生地を巻きながら横に広げる事。1kgの
  小麦粉で厚さ4mm・1.5m四方まで広げる。切る時は、包丁の長さよりも短く折る。この時,
  打ち粉を忘れずに! 切り終ったら麺の半分の長さのところを持ち板に叩き付ける。折り目がとれ
  麺が伸びる。
F このあたりは常識の範囲である。ちなみに茹でると厚み・巾とも2倍に膨れる。
G さぬきうどんのように晒さないで釜揚げとして食するのも好みである。
H 饂飩本来の味を楽しむのは、生醤油を垂らしただけ。あとは好み。

作業の経過は左の写真をどうぞ。
ちなみに出来上がりの写真は、食べるのに夢中で撮り忘れてしまった。


今日の収穫:
饂飩玉






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大地の写真地の巻 ● 援農草刈隊が行く
日頃の鬱憤・ストレスを解消する為、援助交際ならぬ援助農業と称して
他人の畑に乱入し、思いっきり雑草刈りをする事で悦びを求める集団。
日夜乱入する畑を物色している連中。略して「援農草刈隊」が今日も行く!