NO,001

■ 馬鹿だと思われるから止めなさい


昨年は横浜でも二回も雪が積もった。
その半年前、秋の風情が辺りに漂う頃に、我が家の山の神は何を
思ったのか、ホームセンターで雪かきスコップを買うと言い出し
たのであった。
何でもご先祖様が買っておけ!と言っているそうで、こういう時
は必ず、当たるんだそうなんである。

この人、この手の感はとても強いものがあるのだがここ
数年は雪は降っても積もる事は無く、ましてや、毎年暖冬だと、
言われているので、何を言っているんだと思ったらその年はここ
数十年にない大雪、見事に積もりました。

雪の降った翌日は休日、このまま溶けてくれるかと昼過ぎに
外の様子を伺うと、まだ雪は溶けずに歩道を覆っている。
我が家から最寄駅に向かう道は、隣の一階が駐車場になっている
マンションとその隣にコンビニになっているマンションがあり、
その先は工事用車輌の会社と生協の配送センターがあるのだが、
今日は休日の為、誰もいない。
また、その先は坂道となり袴線橋となっていてここも誰も雪かき
をする人はいない。
この分では、明日は歩道は凍結して歩くのも困難である。
誰もやらないのであれば、自分でやらなくてはならない。

結構な距離です。
何とか三時間掛けて、どうにか仕上がりました。
何とも言えない達成感があります。
道行く人からもありがとうございますと声を掛けて頂いた。
コンビニの店長からは缶コーヒーの差し入れがある。
何よりも、明日、自分の通勤が楽になるのが一番嬉しい。

この事を山の神に言うと、帰ってきた言葉が
「馬鹿だと思われるから止めなさい。雪かきは自分の住んでいる
マンションの前だけでいいの。道行く人はありがとうございます
と言うけど、心の中では何もよそ様の前まで雪かきしなてもいい
のに、馬鹿じゃないのって思われているんだから。」
だと。

因みに我が家山の神、今年は両手で操作するそりのような、
雪かき道具を買おうとしている。
一体来年は、どんな雪が降るんだろう。













前のお話へ 次のお話へ


 心に沁みるお言葉
古来より、日本には言霊(コトダマ・コダマ)信仰というのがあります。
発した言葉自体が生命を持って何かを為すという考えです。
UKIの心に沁みたありがたいお言葉をお伝えします。