餌木
羽生烏賊

NO,005

■ 羽生烏賊


2003年 5月

伊豆の棚田でいつもお世話になっている宿のご主人は、羽生烏賊釣りの名人である。
毎回夕食に出される烏賊のお造りは、宿のご主人が釣ってくるこの羽生烏賊である。
ところで、羽生烏賊(バショウイカ)とは?
何を隠そうアオリイカの伊豆での通称である。
大きなエンピロが鳥の羽を想像するのか、羽が生えているところから来ているらしい。
また、芭蕉の葉から来ているという説もある。いずれにしても大変美味しい高級な烏賊である。

5月から6月にかけて早朝や夕刻の薄明かりの中で、産卵直前のこの烏賊は活発に餌を追いかける。
釣り方は、生餌とヤエンという変った道具を使う釣り方と、餌木と呼ばれるルアーに似た擬似餌を
投げて釣る方法に大きく分かれる。
伊豆の棚田の羽生烏賊名人は、夕刻ボートをゆっくりと引く餌木釣りである。
ポイントは入江の磯廻りの底、竿を立てすっと引いて一呼吸糸がたるんだらまた引く。餌木と竿の
間には10号のオモリを結び底に沈み安くしている。

羽生烏賊釣りの奥義は、どうやら竿とボートの漕ぎ具合にあるらしい。
竿は、自作である。釣り具屋で1mくらいのグラスロッドの竿先を購入して、それを細く削る。
どのくらい削るかが技である。手元には道糸を捲く出っ張りと滑らないようグリップを付ける。
かつて友人が、東京で高いアオリイカ専用の竿を購入し持参したところ、それを見るなり地元の方
から一言「そんな竿じゃ釣れないよ。」と言われたそうである。
実際釣れなく竿を借りたところすぐにアオリイカがかかったそうである。
また、ボートを漕ぐスピードは釣果に大きく左右する。何がどう違うのかさっぱり分からない。
実際UKIが自分で漕ぐ事4回ボウズ続きだったのが、名人が漕いだ途端に2杯も揚げたのである。
後にも先にも(先にも、とは縁起でも無い!しかしこれからはまだ分からんと思い続けて早2年・・・)
兎も角、名人の名人たる所以である。

今回はそんな名人にいつもお世話になっているので、餌木6本セットケース入りをお土産に持参した
のであった。日頃の感謝の気持ちであるが、この機会に名人の技を盗もうと取り入っているその魂胆
は、かなり見え見えではある。
気を良くしたのか宿の主人、夕刻羽生烏賊釣りに誘って頂いたのだが、その時UKIは隣町で遊んで
いた。数年前から繋がるようになった携帯に電話を頂いたのだが、無念にも名人一人で繰り出す事と
なったのである。そして名人がしっかりと釣ってきたのが写真の1杯である。


本日の釣果(正確には収穫)
羽生烏賊 1杯(60cmデカイ!!)

今回の教訓
無理して沖に出なくとも、成果は上がる。






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静かな海で一人ぼうっ〜と出来る。上腕と腹筋を鍛えるのに最適。
スポーツジムと比べこちらは時々魚のおまけが付くなど、海のボート釣りは
良い事づくしです。よく出掛ける逗子湾沖を中心にお伝えします。