手植え稲作り

NO,003

■ 手植え稲つくり

10月

著者:横田不二子
出版:社団法人 農山漁村文化協会

限りなく少ない農薬で、天火干しのお米を食べるとなると農家の親戚になるか自分で
耕すしか無い。自分でお米作りを始めるにはどうするか?
そんな方にうってつけの本である。

育児・食べ物といったあまり派手さの無い分野のライターである筆者が書く内容は、
畝作りから始まり、収穫までの作業や土壌分析・成分分析まで緻密に触れている。
よくある自然に触れようとか、大地の優しさといった癒し系ガイドブックとは異なり、より
実践的な本当に稲つくりをやろうとしている人にとって、痒いところに手が届くような
内容の本である。
しかし、都市生活者が自分で稲つくりをやろうとすると軽トラに乗って高速道路で2時間
走らないと出来ない現実は、どうにかならないだろうかと考えさせられる。






NO,004

■ バスの缶詰

11月

著者:日本バス友の会(編)
出版:株式会社 トラベルジャーナル

あの「恐るべき・・・」シリーズと分類上は同じ系統の本である。
営利を離れ、共通の趣味を持つグループは時としてとてつもないエネルギーを生む。
そのエネルギーがしっかりと充填された缶詰がこの本である。

ここでいうバスは、「う〜、あったまる・・・」と唸りを上げ桶がカタンとなり、天井から滴が
ポタッと落ちるあのお風呂ではなくて走るバスである。特に愛着を持たない人間から見る
とそんな事はどーでもいいじゃないかと思うような事をじっくりと探求している。
その意味からいうと貴重な情報がかなり満載されている。

しかし、かつて一時期バス車体のカラーを変えとっても評判が悪くて、すぐ元に戻った
都バスのあの色の名前が、クリームイエローとクリムゾンレッドというのは知らなかった。
また、スーパーハイデッカーの後部が二段になっていてフリースペースがついている最上級
バスの事を「アストローペ」というんだそうである。
ご近所の団体旅行でバスに乗った時、添乗員にさりげなく「このバスアストローペですね」と
いうと特別に優遇されるかもしれない。



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空の写真 今月の本(2001)
面白かった本などを紹介します。
2001年に読んだ本の中からの紹介です。