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NO,013 |
■ 古民家再生住宅のすすめ
8月
著者:宇井 洋
監修:石川 純夫
出版:株式会社 晶文社
元来ケチという訳ではないが、物を捨てるのが嫌いである。
あ〜もったいないというのが先にきてしまう。ましてや百年近く使っていたものとなると
思い出や素材の良さを考えるとどうしても捨ててしまってよいものかと考えてしまう。
何の話かというと家の話である。実は、UKIの実家は、約70年程経過した古民家である。
若くして亡くなったじいさんが大工の棟梁をしていたせいか、かなり凝った家を作ったよう
なのである。
大きな屋根裏のある平屋で床の間の長押は黒檀・鴨居は柿・床柱は紫檀・天井板は正目の
杉板とかなり良い材料を使用している。
都内でもこんな古い家はめずらしいのかまた長い間ずっと建っているからか、頼んでもいない
のに毎年秋の標準公示地価のサンプルポイントにその名を連なっている。
この家も将来は空き家となってしまう。ここに住みたいとは思わないが、その家材は捨てるの
に忍びない。では移築しようとしてもその土地の用意もまだしていないのだがでは、もしもったい
なくて捨てられずに移築したとしたらどうなるのか興味を持って見つけた本がこの本である。
ハウスシックの問題やもはや入手困難な木材を手に入れる為、またUKIのような、もったいない
または資源有効利用を考えてそのような古家を蘇らせようという動きが起き始めている。
そんな実態を紹介したのがこの本である。
いくつかの事例と完成までの状況をレポートしている。
ちなみに、古民家再生住宅を設計する設計事務所3社と施工または資材センター5個所を紹介
している。
また、その費用の目安として
改築費約10万円〜85万円(坪単価)
移築費約60万円〜120万円(坪単価)
くらいが相場である。
自分で家を持っていない人でも入手出来る古家を扱っている会社があり、そのような希望を持っ
ている方にも朗報かもしれない。また、もしUKIが移築に断念したとしても、その材料を古家素材
として扱ってくれるならば、それも朗報ではある。
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