雑木林をつくる


NO,014

■ 雑木林をつくる

8月

編著: 倉本 宣 内城 道興
発行: 百水社 有限会社

プランター栽培をやってると年間補充する腐葉土の量は、結構馬鹿にならない量を補充する
事となる。一昨年まではその度に大きな園芸店で腐葉土を購入していたのだが、そのコスト
とそのために自動車を使用する事での燃料を消費する無駄についてこのままで良いのだろう
かと考え、昨年より近くの公園で落ち葉を集める事にした。
晩秋の休日の早朝清掃されている方に、声を掛けて鶏糞肥料の空き袋20枚にギュウギュウ
詰めにして帰るのだが、清掃の方もその分ゴミが出ないので喜ばれている。

首都圏には、このような公園がかなり有り、その緑は豊かである。そんな公園の緑を維持して
行く為地元の方が有志で管理するケースも多い。
この本は、新しく出来た近所の公園を同じような思いで眺めながら見ていた方々の立ち話から、
緑を維持して行こうと思い立ち、有志を募り、行政に働きかけ行動を起こす事で市民参加の雑木
林ネットワークを作った方々の編著である。

その活動は、薮の下草刈りから始まり植樹まで及ぶが、年間のイベントには野鳥観察会や、
バーベキューパーティ、茸狩りや木炭作りなど盛りだくさんである。古来からの雑木林は、農業を
中心とした生活の中で農閑期の晩秋から早春の間手を入れる事で落ち葉を堆肥に、間伐材は
茸のほだ木や炭作り枝は焚き付け、笹は籠作りと関わり合いを持っていた。

公園の緑をただ鑑賞するのでは無く、古来からある生活と密着した雑木林・里山に例え関わり
合いを持つ事で地域のコミュニティーが形成される事をこの本は伝えている。

この本が著わされた1996年時点でこのような地域コミュニティー団体は全国で70を越えている。
日常のごく近くから自然に親しもうという活動が環境保全とレクリエーションを両立させている。





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空の写真 今月の本(2002)
面白かった本などを紹介します。
2002年に読んだ本の中からの紹介です。