NO,018

■ 東京のえんぎもの

7月
 
著者:早川 光
出版:株式会社 向龍堂

まあ良くも集めたり180種、本物の由緒ある縁起に由来したお宝グッツ大集合である。
こうして並べて見るととてもポップで洗練されたデザインの物ばかりである。江戸の粋と
時代に晒され生き残った簡素で洒落気のある小物ばかりである。

かつて地下鉄も山の手線も無い時代、日帰り小旅行や遊山といったら江戸の郊外の景勝地
に弁当を持参して出掛けるのが一般的であった。そんな出掛ける先の目的地は景色の良い
神社・仏閣であり、そこで弁当を開け詩に興じ酒を飲み土産を勝って帰るという慎ましき
中にも贅沢な時間の過ごし方を古の市井の人は行っていた。
そんな、土産のひとつにえんぎものがある。いかがわしいところに行って来たのでは無い
という証拠と道中の珍しい景色やハプニングを皆で肴として楽しもうという魂胆だったと
想像する。

どこかの女性誌では、古都鎌倉やら京都やらの特集を昔から組まれているが、えんぎもの
ツアーなるものはまだ組まれていない。そういう意味で著者の視点は新鮮である。
かつてUKIも高校生時代、夏休みの間早朝自転車で谷中七福神巡りや隅田川沿いの神社
仏閣巡りをしていた事を思い出す。(我ながら地味なハイスクールデイズであるが・・)

ところで、えんぎもののうち本当にあるのは以下のどれでしょう?
@ せっけん
A 目薬
B 胃腸薬
C 携帯ストラップ








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面白かった本などを紹介します。
2003年に読んだ本の中からの紹介です。