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NO,027 |
■ 日本食記
11月
著者:森枝 卓士
出版:中央公論社
いわゆる日本食「和食」とは本来、日本で生まれた食事であろうか?こんな疑問
を心に抱きながら、日本に定着した独自の食を探っていく。北は北海道から南は
沖縄、さらには中国・タイ・東南アジアへと・・・・
そう、日本古来の伝統食である和食と同じような料理、食材が海外にも存在する。
例えば納豆。中国から持ち込まれた納豆とは違った独自に糸引き納豆は、古来、
秋田で生まれた事になっているが、タイにもまったく同じ糸引き納豆が存在する
のである。
また鰹節。これもインドに存在しカレーのダシとなる。最も黴を植え付けた本枯
とは違った昔の日本の鰹節であるが、日本固有の食材と思われていた食材と同じ
ものがはるか遠く、かつて民族の交流が合った事を物語っている。
本書は、米・忘れ去られた食材・日本周辺の食・日本食のルーツ・新しい食の
五つのパートに分かれている。外からの食材や料理法をそのまま残すのでは無く
日本流にアレンジして和食として定着させる日本の知恵について綴られている。
そんな独自の食を求め、著者は今でも大量生産に向かない食材を作り続けている
生産者に会っていく。まさにこれこそ日本のスローフードであろう。
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