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NO,030 |
■ 京料理の迷宮
12月
著者:柏井 壽
出版:株式会社 光文社
生粋の京都生まれ・京都育ちの著者が伝える京都人による京都人の為の京都の
食の本である。本来の暗闇に隠れた京都のおばんざいと、職人による今の京都
を代表する料理店を数多く紹介している。
料理が運ばれ、その料理を味わう。真に味わう情感を表現した文章は、思わず
生唾が湧き出してくる。今日はこれを食べよう、とその事だけが脳裏に映像と
音と香りが浮かんでくる。
こんな文章を書ける人は、開高健と池波正太郎と著者くらいのものである。
そんな著者は、実は小説家では無い。
京都で開業する歯医者である。著者の京都を愛する気持ちがとてもストレートに
伝わる本である。
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