NO,010

スーパーおやじの痛快まちづくり

3月

著者:安井 潤一郎
出版:株式会社 講談社

人間ある程度の年齢になって大体の世の中の事が判り出す。別の表現で言うと、
仕事の欲とか趣味とか段々と限界が見えてくる。と、どこに人は目が向かうか
家庭や孫や地域の事が気になり出していくらしい。
そんな立派な大人になった人がある時、誰もなり手のない商店街の会長に本人
の意思とはまったく無関係の「順番だから」との一声で担ぎ上げられてしまう。
この本は、そんな分別ある大人になったら誰でも一度や二度経験する断れない
状況を仕方なく引き受けたところから始まる。

どうせやるなら人のやらない事をやろう。著者は遊び心旺盛な人物である。
商店街の活性化と、地域の問題であるゴミリサイクルを結びつけ独自の交渉力
から周りの大学や自治体を巻き込んでいく。どうせ素人がやるんだからという
怖いもの知らずのプロでは出来ない心構えから、その催しは話題を呼び、本人
も意図していない方向にどんどん進んでいく。
そして商店街の中にゴミリサイクルと交流の場を併せ持つエコステーションを
造ってしまう。全国初の試みとして話題となる。さらに著者は物怖じする事無
くさらにどんどん突っ走る。ゴミリサイクルから環境改善・地域の人の交流へ
と進展し全国講演の旅へと繋がっていく。

自分の意思とは関係なく、加速度的に物事が進んでいく事が時としてある。
ツボに嵌ったとか、時代が求めていたとか後の辻褄合わせの説明はどうとでも
着くが、物怖じする事無く遊び心で推進出来るような人が居て初めて事は成り
立っていくようである。真に時代が求めていた人が著者なのだろう。

「釣り場を綺麗にしよう!」という呼びかけで知り合った、横浜で釣りをこよ
なく愛する人達のグループがある。ゴミ回収という年2回のイベントを通じて
互いの交流が広まっている。主催者の「福浦チヌ同好会」ひささんも最初は、
こんなに支援や人が集まるとは思っていなったと驚いていた。
昔の言葉にLook if you like but you will have to leaveというのがある。
この気持ちは大切である。

ちなみにお話の舞台は、東京早稲田商店会








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空の写真 今月の本(2004)
面白かった本などを紹介します。
2004年に読んだ本の中からの紹介です。