下水道のバランスシート

NO,021

■ 下水道のバランスシート

9月

著者:加藤 英一
出版:株式会社 北斗出版

UKIの住んでる横浜市は、2005年の4月よりいきなり分別ゴミ回収となって、今、とんでも
ない事になっている。数年前に、家庭ゴミとリサイクルと電池の3種類の回収に変わったもの
の、その前は何でも有りの一括回収だった。それが、3種類に分けるようになりすこし慣れて
きたら、今度はいきなり12種類に分別しなくてはならない。パニックである。

今回の分別回収の隠れた目的は、分別する大変さからゴミの出す量を減らさせようという事
にあるとの噂もあるが、生ゴミをコンポストにしているとはいえ、ゴミの量とその種類は、ハンパ
では無い。真からゴミ減らさないとえらいこっちゃと思えてくる。
棄てるものを減らす事は、これからの環境維持にとって重要な事である。
が、それはゴミに限った事では無い。水の処理にも同様の事が言えるである。

という訳で、下水の世界はどうなっているんだろう?と思い、手にしたのがこの本。
著者は、大阪水道局労働組合に在籍するその道のプロである。以前このコラムでも紹介した
「200万都市が有機野菜で自給出来るわけ」の著者も東京都農政局に勤めるその道のプロ
だった。今回もその道のプロでしか書けないへぇ〜ネタ満載である。

下水道料金は、上水道料金徴収と一緒に徴収されその額は上水道よりは低額となっている。
しかし、コストは下水道の方が高い。知ってたぁ?
地下水利用者は、上水道料金を取られないのでタダで下水道を利用している事になる。
知ってたぁ〜??
コストが徴収金額より多いという事は赤字、その赤字は税金で賄われているって知ってたぁ
〜〜???

現在の多くの下水処理施設は、屎尿処理中心で生活雑排水の処理には万全では無い。
また、処理基準が窒素・リン残留に対して甘く、豊栄養化により、大都市の閉鎖湾部で青潮
・赤潮発生の一因を成しているんだそうである。戦後広まった単独浄化槽もその要因を生み
出しているが、現在はコスト面から、一般下水道施設より合併浄化槽が優れているらしい。
住宅建て直しを期に単独浄化槽から、合併浄化槽に切り替える事が環境とコストにも優れ、
またその需要は年間2000億円・全体で4兆円市場を生むと著者は著している。

さらに、今まで浄化して棄てていた下水を資源として見直していく試みの幾つかの例と提案を
著者は行っている。
まず出さない為の工夫、雨水などを別処理する事での下水排水量の節減。
資源利用として、下水に含まれる窒素・リンを栄養素として農業用水や養殖資源として利用する。
さらに安全な下水とする為に、下水に重金属等を混入させないような法的手立てなど。
この本は、現場で働く人による本当の構造改革の本である。



















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空の写真 今月の本(2005)
面白かった本などを紹介します。
2005年に読んだ本の中からの紹介です。