「農」が変える食ビジネス

NO,023

■ 「農」が変える食ビジネス

10月

著者:青山 浩子
出版:日本経済新聞社

これからの日本農業の在り方は大きく変化する。
その中で、生販協業という生産者と販売者の新しいパートナーシップについての取り組みに
ついて綴られたのが本書である。
ちなみに上梓されたのは、2004年12月。この時点までのでの取り組みについてである。

主な取り組みは、
・「カゴメ」と「オリックス」が作る生食トマト
・「カルビー」のじゃがいも
・「メルシャン」のワイン用ぶどう
・「キリンビール」のじゃがいもの種いも
・産直販売運営会社「みずほの村市場」
・スーパーが取りに来る長野のレタス農家 横森正樹さんの農業法人「信州がんこ村」
・千葉の農事組合法人「和郷園」の冷凍ほうれんそう
・千葉のさかき農産「小見川農場」のサンチュ
・新宿の仲卸し会社「まつの」の長野直営農場
・小田原のスーパー「ヤオマサ」が出資する農事組合法人「報徳農業生産組合」
・「和民」の関連会社「ワタミファーム」
・「永谷園」の経営するレストラン餉餉
・神戸のデリカテッセン「ロックフィールド」の展開するじゃがいも契約農家制度
・「サカタのタネ」が作ったイボ無しキュウリ
・「山口園芸」の接木アウトシーシング
・徳島の女性社長が起こした農業ベンチャー「新居バイオ花き研究所」
・「オークネット」の花きオークション
・東京墨田の花ギフト通信販売会社「ウェルネス」の野菜通信販売
・埼玉の農家集団「本庄PF研究会」の栽培履歴付き農産物
・農協の牙城を崩す直販体制を組む農業資材販売会社「アイアグリ」
・家畜の育種改良会社「埼玉種育牧場」が経営する農業テーマパークサイボク
・岡山の農家レストラン「お通」の黒豆つくし料理
・宮城の田圃の中にある農家レストラン「ふみえはらはん」
・「大分JA」直営レストランオーガニック農場のバイキング料理
・長野の「南信州観光公社」が主催するグリーンツーリズム
・高齢者の生産者に支えられている群馬の「尾瀬ドーフ」
・高知馬路村の「ゆずの里・ポン酢しょうゆ」
・徳島上勝町のつまもの生産「彩」
・群馬六合村と東京世田谷の生花店「中山フォローリスト」による山野草の収穫販売
・青森の農業生産法人「片山りんご」の英国輸出
・北海道帯広の「JA帯広かわにし」のナガイモ台湾輸出
・LAのレストランオーナーを唸らせた群馬の農業生産法人「赤木きのこ本舗」の椎茸
・鹿児島の農業資材販売会社「南九州資材」が出資する中国生産の牛蒡
・愛知の電照菊生産農家の商社による海外育苗アウトソーシング
・独立系畜産農家としてトップクラスの利益を確保している群馬の「林牧場」の養豚

もうすでに大きく変化してますね。
ところで、本書を読んで思わず笑ったエピソード。
青森のりんご農家の方が英国輸出するまでには、結構大変だったらしいです。
日本では生食用の林檎は大玉。小玉は加工用で安く叩かれる。そこで、大玉林檎を英国に、
持参した際に向こうのバイヤーから「こんな大玉は加工用にしかならないからダメだ」と
言われ、その次には小玉を持参したところ、向こうのバイヤーから大変喜ばれたらしい。
曰く「君もやれば出来るじゃないか!」だって。


















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2005年に読んだ本の中からの紹介です。