山みち蕎麦みち

NO,015

■ 山みち蕎麦みち

7月

著者:太野 棋郎
出版:株式会社 山と渓谷社

どえらい本である。
若い頃から山登りをたしなみ、定年後もキャリアを生かし若い人を追い越していく程の脚力で
今の全国の山々を踏破して行く。
山には、美味しい水がある。その水を生かした食材が蕎麦である。山を歩いてその地の蕎麦
を喰らう。想い出は蕎麦から山を連想し、山から蕎麦を連想する。そんな全国の山と蕎麦と
綴ったのがこの本。その本が、何故どえらい本か?
著者の見識と年輪から、蕎麦の本質と本当に美味い蕎麦を作ってくれる店主との交流である。
その数が半端では無い。また、その文体も安定した年輪を感じる。
どえらい本である。

UKIは、山はあまり興味がないので蕎麦屋だけを記すると、
帯広     そば小川
小樽     藪半・樽そば
函館     山田手打ちそば店・根崎やたら屋
青森     しもばしら
弘前     野の庵・面一源・彦庵
盛岡     直利庵・さくら庵
平泉     二足の草鞋地水庵
村山     あらきそば・七兵衛そば
米沢     蕎麦酔庵
仙台     八重車・たまき庵・芭蕉庵
会津     なかじま・桐屋夢見亭
那須     手作り蕎麦ほし・蕎麦石心
筑波     那由他
六日町    岡寮
高崎     凡味そばきり・せきざわ
秩父     手打ちそばこいけ
入間     玄庵
高尾     坐忘
渋沢     さか間
修善寺    朴念仁
富士      蕎仙坊・天祥庵
甲府     奥村本店
静岡     安田屋本店
小淵沢    萬吉
駒ヶ根     丸富
松本     もとき開恵店・女鳥羽そば・野麦
新島々    播隆
富山     深明
高山     恵比寿本店・そば処東山
岐阜     吉照庵・胡蝶庵
京都     じん六・虚無蕎望なかじん
大阪     そば切り凡愚・月花水
奈良     玄
芦屋     かぶらや
松江     神代そば
出雲     荒木屋
佐賀     狐狸庵
宮崎     しみず
カトマンズ そば処ヒマラヤ

さすが山屋、そばを訪ねてはるばるヒマラヤまでじゃなかった、ヒマラヤの山に登る際にも
日本人向けの現地の蕎麦屋を訪ねている。
山登りする方は、みな蕎麦が好きなんだろうかね?

蕎麦も含めた全ての穀物強いては全ての作物でも言える事だろうが、寒暖の差が作物を
美味しくする。
この間、ある方から聞いた話では一日の温度差が10度あると特に穀物は、中心に旨味部分
が集まってくるらしい。つまり、美味しい穀物が出来るという訳。
その意味で、綺麗な空気と清冽な水と旨味の凝縮した作物を他の雑味を排した形で味わうに
は蕎麦が一番という事になるのであろう。

普段歩いている道路から見ている日本を、見る角度を変えて見てみると新たな発見がある。
釣りをする時、船に乗って海から見ても発見がある。山から日本を見るとまた違った発見が
ある。ヤマケイも時々、とんでもなく面白い本出すね。


















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面白かった本などを紹介します。
2006年に読んだ本の中からの紹介です。