おいしさのつくり方

NO,016

■ おいしさのつくり方

7月

著者:諏訪 雄一
出版:株式会社 小学館

以前から気になっていた「永田農法」ここに詳しく書いてあります。
著者は、趣味に家庭菜園を持つTV番組制作会社のプロデューサー、永田農法のDVDを
制作する事になり、ここで永田農法との出会いが始まる。
自らも野菜を作りその腕には自信があったが、永田農法で栽培された葱の葉を食べ、トマト
を食べ、驚愕する。著者は仕事で詳しく永田農法の実体に触れ、自らも永田農法にどっぷり
と嵌っていく。

ところで、永田農法とは何か?
簡単にいえば、あまり栄養を与えない土に作物を植え、三大栄養素は液肥の状態で与えると
いうもの。植物を過保護にせず、最低限の栄養素で植物自らの力を最大限に引き出す農法。
水耕栽培に考えは似ているが、それを土の上で実践している事である。
つまり、見た目では普通の耕作野菜とまったく変わりがない。

週に一度液肥を与え、花が咲いたら最低限の水分で植物を育てる。
給水体制の整った耕作地や庭先のプランターでは、かなり楽に作物が作れる農法と言える。
時々、液肥をやれば良いので片手間でも出来る野菜作りのようである。
横着者のUKIにとっては、願ってもない農法である。
ちなみに液肥はコンポストの堆肥の副産物ではなく、栄養素のバランスのとれた化学肥料で
ある。限られた量の肥料で行う農法の為、ここらあたりは厳密である。
また、片手間で簡単とは言っても、その土地土地の気候や液肥の量やタイミングなどにより
作物の味がかなり違うらしい。ここらあたりが技と奥行きのある農法と言える。

ところでこの本、自分で野菜作りをしている人ならではの喜びが記されてます。
UKIも野菜作りをしているので、本当にその気持ち良くわかります。
江戸時代の釣りの本ではないが、「野田の見晴らしをこそ楽しみ、一体無心にして物事に
かかわらず、身をこなし気を養ふことを肝要とす。」この気持ち大切だよね。

*著者からご承諾を頂き、我がサイトと相互リンク頂く事となりました。



















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空の写真 今月の本(2006)
面白かった本などを紹介します。
2006年に読んだ本の中からの紹介です。