NO,027

■ ケルト紀行

12月

著者:松島 駿二郎
出版:JTB

語り口の爽やかな文章である。
こんな文章書けるようになりたいね。

ギネスビールとシングルモルトに魅せられた著者、ケルトの地を目指す。
紀元前、北ヨーロッパを中心とした地域で繁栄した文字を持たない民族、ケルト人。
ローマ帝国の繁栄に伴いどんどんと西に押しやられ、ローマ衰退後はゲルマン民族により、
追いやられ、今ではアイルランドの地を中心に住まうケルト人、そんな彼らを訪ねてアイルランド、
イングランド、ノルマンディーを旅する著者、毎日がギネスとシングルモルトの旅である。

アーサー王伝説ってイギリスの話かと思っていたら、あれはケルト人の話だったんだね。
また、マーリンという魔術師が国を支えたケルト国家、何やらハリーポッターの世界を思わせる。
イギリス人にとって未知と懐かしい伝説を思わせ、ケルト人にとっては、痛快な話として読ませる
そんな話かと本書を読んで、改めて感じた。

ところで、ケルト人って結構話題の人物が多いそうです。
へ〜、あの人がっていう人がケルト人だったりする。
作家のCWニコル、ケネディー大統領、「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラ、ちなみにラスト
シーンで「タラへ」って叫ぶんだけど、意味が分からなかった。「タラ」は父親が経営している農園
の名前でもあり、ケルト人で一番有名なセントパトリックが奇跡を起こした場所が「タラの丘」という
んだと。あの時スカーレット・オハラは我が家と心の故郷のふたつの意味を叫んでいたと、これは
ケルト人にとっては大変嬉しいシーンだよね。きっと。
その他には、歌手のエンヤ、へぇ〜と思ったのは小泉八雲。
















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2006年に読んだ本の中からの紹介です。