ニューヨーク野菜配達物語

NO,003

■ ニューヨーク野菜配達物語

1月

著者:ダグ ジョーンズ
訳者:佐原 みどり
出版:社団法人 家の光協会

最新のライフスタイルを発信する街ニューヨーク、この街で起こっている新しい試みは、
数年後には、日本でも最新の流行として紹介される事となる。時としてその本質的な部分
は欠落している事が多いのだが、この本の内容も多分そのスタイルだけが流行っていると
思うと寂しい思いがするのだが・・・・

義理の兄が経営する農園の野菜を、ニューヨーカーに宅配するというビジネスが成功する
には、幾つかの要因がある。
生活の基本である食材に対して投資をするという考えが下地にあった事、最新の芝居や、
音楽に対して敏感であるのと同じ次元で、オーガニックに対する知識が教養として必要と
されている事、外食をする事よりも自宅で質の高い食事を摂る事が必要とされている事、
また、それを実現する為のレシピを宅配している有名レストランと提携し、レシピの提供
をしている事、地域の環境をお互いがシェアし、サポートする事が義務だという考え方、
そのようなお得意様に対してニュースレターを発行し、情報を発信している事、さらに、
わがままなお得意様の細かな時間指定に対して、忠実にそのリクエストに対して応えてる
事、そのような事の積み重ねが成功に繋がっている。

ちなみにこの本、レシピ本としても楽しい本です。特にイタ飯系の野菜料理を作るには、
良いね。

アメリカンドリームというのは、あらゆる分野で生まれる可能性がある。
著者が仕方なく勤めていた会社である時閃いた事を実行に移し、それが成功を収めるまで
の物語である。その下地として、人生は何回でもやり直せるという考えがあるのであろう。

















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