NO,004

■ オキナワ宿の夜はふけて

2月

著者:カベルナリア 吉田
出版:東京書籍 株式会社

UKIは沖縄に行った事がない。
この本を読んでいると、航空券代さえあれば、お金が無くとも時間があれば気軽に沖縄に
行けるんだろうなぁと思ってしまう。

旅を旅するには、ここで紹介されているこんな宿に泊まる事である。
海外でもB&Bや互いに自炊してシェアする宿があるそうである。日本でもユースホステル
やスキー宿といったものがある。この本を読んで、まだこんな宿があるんだなぁと妙に感心
してしまった。
ここで紹介されている宿は、ともかく安い。
素泊まり1500円からである。宿泊客も若い学生から長年馴染んだ大人まで年齢層は厚い。

ここで紹介されている宿に共通しているもの、ユニークな宿の管理人と「ゆんたく部屋」と
いう談話室兼宴会部屋である。ここではかなり濃密な人間関係を初対面の旅人同士持つ事と
なる。また、極めて安い宿泊方法「ドミトリー」という相部屋制度もある。
いわゆる下宿または寮のようなものらしい。ここでは、3日宿泊の予定が3ケ月も滞在する
人もいるらしく、馴染んだら離れられないような宿である。そういえば、かつて小笠原に行
った際にも同じ宿で6日間の予定が3年もここに留まっている人がいたが、ここも不思議な
磁力を持った場所らしい。
今の若者は他人と同じ部屋をシェアする事などしないと思っていたが、ここではそんな事は
無いようです。

ここに宿泊する人みんなが酒が強く、また人付き合いが得意という訳では無いのだろうが、
異なった世代と会話をする事が無くなった現代の人々からすると、綺麗な空と海を見るだけ
が沖縄を旅する事ではない事をこの本は教えてくれる。

こういう馴染みの宿を持っている事も人生の大切な財産であろう。
















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空の写真 今月の本(2006)
面白かった本などを紹介します。
2006年に読んだ本の中からの紹介です。