山猿流自給自足

NO,005

■ 山猿流自給自足

2月

著者:青木 慧
出版:株式会社 創元社

楽しい本である。

人生、最も勇気が必要でお金のかかる買い物とは何か?
土地を求め、自給生活を営み、ついでに自分で家を建ててしまう。
お金も掛かるが、今までの自分の生活の場を棄ててのゼロからの出発で有り、リスクも多い。
が、毎日・毎日が充実し、楽しみの連続でもある。勇気と引き換えにした大変贅沢な暮らし
方でもある。
こんな生活を今までの経験と作家という立場を利用し、ゆるやかに田舎生活に移行した著者
は、深い思慮と既成の概念に捉われない自由な発想を持って生活している。

大変興味深いのは、家を建てるまでの過程である。
平屋でロの字構造の家の様々な特長は、何でこんな家が今までなかったんだろうと思わせる
様々な工夫に満ちている。著者が長年、主に環境問題を取材し農家を見続けたその考察から
多くの蓄積が、ここには詰まっている。自分で家を建てようという壮大なる道楽を実行する
または、しようとしている方には大変参考となる要素が詰まっている本である。
尤も、その家に住んでどうやって生活をしていくのかというノウハウが伴わないと、生きた
家とはならないと思いますが・・・

今までは取材した内容を著わしていた著者が、立場を変えて、自ら実践しているその内容は、
「日本に住まう」という事を環境・自給・地域という観点で実験した結果のレポートである
という読み方もある。
著者が実践している内容は、食糧危機やエネルギー危機が身近になった時どうしたら良いか
今、世界が直面している問題に対してどう対応していくのか?そのサバイバルの方法の模索
ともいえる。著者が体験した10年間の蓄積は大変内容の濃い貴重な資料である。
この生きた報告書は、これからの日本の在り方を考える上で大変貴重なレポートでもある。
なお、著者の「山猿塾」は一緒に実践体験する施設でもある。
体験されたい方は事前に一報頂ければ、体験について詳しく説明をして頂けるそうです。
UKIもいつかは伺ってみたい「山猿塾」である。
















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面白かった本などを紹介します。
2006年に読んだ本の中からの紹介です。