日本史の旅は自転車に限る

NO,006

■ 日本史の旅は自転車に限る

3月

著者:疋田 智
出版:株式会社 竢o版社

自転車とは?
人の運動エネルギーだけに頼り、マラソン選手並みのスピードを誰でも体験出来る乗り物。
殆んどの人が乗る事が出来、1万円代で買う事も出来る乗り物でもある。
誰でも自転車を買ってもらったら、家の周りを乗り回し、近くの商店街に買い物に出掛け、
友達と一緒に隣の町まで遠出する。さらにのめり込んでいくと、日帰りで遠出をする。
道具に走る。いじくりたくなる。
専門のツーリング、またはレースタイプの自転車を買って旅行やレースをする事となる。

どんな趣味も深みに嵌れば、採算という事を度外視して常人では考えられないような投資を
するものであるが、この自転車も同じである。
かつてその趣味に嵌り今は気持ちを抑えてはいるが、いつかまたと思っているUKIである。
この趣味、幼心に描いた夢が大きい程、年を経ていい大人となりすこし裕福になってくると
常人では理解出来ない投資に走る傾向にある。
ある時、仕事のお取引先のたまたま同じ歳の方と飲んでいた席の事、趣味の話になったら、
その方、自転車に嵌っているとの事、UKIは恐る恐る聞きました。
「ひょっとして、ディレイラー(変速機)はカンパニョーロ?」
「そうそう。UKIさん、自転車好きなの?」
「で、フレームはデ・ローサ?」
「ううん、チネリ」
ちなみにこの自転車、総額で六桁に及ぶそう。軽自動車が買えてしまいます。

そんな楽しい大人の贅沢を満喫出来る乗り物、自転車に乗って日本を旅した本がこの本。
著者は、自転車通勤をしながらその楽しさを伝えるホームページも作成している方。
ここのホームページにある著者自筆のイラスト、なかなかいい味してます。懐かしいタッチ
です。今は無き、殆んど同人誌のような一部で熱狂的なファンを持ち、今のアニメ界にも、
多大なる影響を及ぼした(多分)雑誌の絵を思い出しました。

自転車という乗り物は、人の感覚の延長線上の比較的身近に位置する旅行道具でもある。
その走るスピードと、どんな裏道でもいざとなれば押してでも行ける自転車の機動性からか、
自転車による裏道紀行、または土地と人に密着した民俗学的思索というのが可能な乗り物で
ある。

1970年代 大人の自転車雑誌だった「ニューサイクリング」誌で珠玉のエッセイを寄稿
されていた綿貫益弘氏という方がいた。UKIはこのエッセイに触れてから、数年間色々な
作家のエッセイモノばかり書店で買い漁ったものである。エッセイに目覚めた原点はここに
あったのである。
この本を読んでいたら、無性に懐かしくも30年以上前の事を鮮明に思い出してきた。
















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2006年に読んだ本の中からの紹介です。