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NO,028 |
■ 有機農業コツの科学
12月
著者:西村 和雄
出版:七つ森書館
土作りの本はいろいろと出ているが、本書は、大変わかり安い本である。
その中で、ここは押さえておこうと思った部分、
・団粒度の判定の仕方
2L入りペットボトルに水を入れてスプーン3杯ほどの土を入れる
ペットボトルをひっくり返して土が沈むのを確認しまたひっくり返してを5回やる
ペットボトルを置き30秒後にペットボトル越しに新聞の大きな見出しが読めたら
団粒度合格!
・おがくずや麦わらの分解で、最初は土中の窒素分まで奪ってしまう
家畜糞などはすぐに窒素分が分解されて放出するがおがくずや麦わらは逆に最初は
他の窒素分を吸収して分解するが、数年後ゆっくりと窒素分を放出する。
・案外知らない常識
植物は弱酸性で育つので、日本の土がいくら酸性度が高いからといって石灰を沢山
蒔くのは間違い。
有機栽培の場合、リンや窒素分は堆肥や肥料で賄えるがカリウムは刈り取った野草
やその草木灰を敷いたり蒔いたりしてあげるので充分。
・生ゴミコンポストの手間の掛からない上手な方法
水分は殆んどカラカラ状態にする事、その為にはおからや糠に水分を吸わせて一緒
に混ぜるのが悪臭の出さないコンポストの方法
・微量金属元素は野草からの供給でOK
鉄・マンガン・亜鉛・銅・モリブデンなどの微量金属元素は特にやらなくて良い。
著者は、京都大学の講師であり農学博士でもある。
有機栽培の土作りで気を付ける点、実際に土作りを順を追って説明しているが、後半
作物の育て方にも触れている。
これも初めて聞いた栽培する為のコツなど色々と載っている。
枕元に置いておきたい本である。
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