NO,009

■ 木の実

9月

著者:松山 利夫
出版:財団法人 法政大学出版局

木の実好きでねぇ〜。
いわゆるナッツという奴、アーモンド・ピスタチオ・カシューナッツ・ピーナッツ・マカデミアナッツ・
胡桃や栗も好きだねぇ〜。
縄文時代のまだ稲作が伝わっていない頃、主食として食べられていたのがこの木の実。
秋の訪れと共に油の乗った独特の香りある木の実は、豊潤のしるしとして人々の心の中に
今でも残っているんであろうと思う。

さて日本の木の実、簡単に収穫出来てその大きさといい、生食も出来るのが栗。またブナ
の実も生食が出来るが、落ち葉に埋もれたその落実は小さく採取の効率があまり良くない。
同様に生食が出来るが、その大きさからのせいかあまり食べられなくなったのが椎の実、
いわゆるドングリである。

このドングリ、一言でドングリと言われるが、中にはタンニンが強く生では食べられない
のもある。カシの種類である照葉性ドングリで生で食べられるのはマテバシイとスダシイ、
あとのはタンニンが強くて生では無理なんだそうである。また、ナラの種類である落葉性
ドングリは全て生では無理なんだそうです。

ブナは北に植生し、シイは南に植生する。関西から北陸にかけてがその両方が育つクロス
オーバーの地域である。古代日本の一番元気の良かった地域がこの植生と重なっている。

ところで、生食は出来ないが採取の手間が係らずに各地で収穫されたのがトチの実である。
本書は、上記の経緯を踏まえた上で廃れてしまったドングリ食の記録と今に残るトチの実
の各地での活用法と記している。

法政大学出版局が出している本書も含めたこのシリーズ、日本のフォークロアともいうべき
日本文化史をまとめたしっかりと後世に残しておきたい大切なアーカイブである。
シリーズを読む度に思う。






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2008年に読んだ本の中からの紹介です。