掘れ掘れ読本

NO,007

■ 掘れ掘れ読本

9月

著者:秋田 麻早子
出版:バジリコ株式会社

またまたタイトルで選んだこの本なかなかでした。
タイトルであたりの本今年のランキング ベストエイトくらいには入るだろうと思われる本です。
ホント、タイトルにやられたって感じキャハハ〜です。

著者は、アメリカで考古美術を学んだ自称隠れアイドル。ここの出版社の方針か著者の顔
写真が載っています。さすがに自称するだけあってアイドルっぽいです。考古学をやって
いるようには見えません。まあ、人間外見だけではありませんしね。こんな意外性がある
事も考古学の近代化(?)になるかもしれない。

ところで、本書はなかなか奥の深くて解りにくい考古学を解りやすく解説した本です。
もっとも考古学をあまり深く掘り下げてはいません。とっつき易く解りやすく、時に可笑しく
楽しく説明しています。
例えば信念の人シェリーマンは信念どおり古代遺跡を発掘したのだが、実は勢い余って、
自分の目指した地層を壊して、その下の地層からさらに古い古代遺跡を発掘したといった
トホホ話しが載っていたりと、業界の裏話や細かい突っ込みもあり大変楽しい本です。

ちなみに本書は横書きだが、学術書のように無味乾燥ではなく充実な読みごたえがあります。
横書きの本というのは、普段見慣れているせいかどうしても、報告書を読んでいる気分に
なってしまうものだが、しかし、本書はそんな横書きながら読んでいても楽しい本でです。
著者は、なかなかの文章家と見た。どうでしょう?

蛇足ながら、発掘された遺物のイラストもかわゆいです。





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面白かった本などを紹介します。
2009年に読んだ本の中からの紹介です。