スタインウェイとニュースタインウェイ

NO,001

■ スタインウェイとニュースタインウェイ

 1月

著者:幡田 耕治
出版:株式会社 エピック

ピアノの銘品といえば、スタインウェイであろう。
多くのクラシックやジャズピアニストの映像を見るとピアノの蓋裏は殆んどこのメーカー
のロゴが入っている。倍音の膨らみや和音の周期性のある微妙な共鳴音、明快な芯の
ある高音など、一度聞くと他のピアノの音とは違う独特の音が拡がり、これがスタイン
ウェイピアノなんだなぁと思ってしまう。
そんなスタインウェイの音が変わったと本書で著者は警告している。
曰く、独特の音を作り出した昔のスタインウェイと、その良さが無い最近のニュースタイン
ウェイの違いである。

ところで、スタインウェイピアノがニューヨークで製作されているものと、ハンブルグで
製作されているものがあるというのを初めて知った。またずっとSteinway&Songsだと
思っていたのが、Steinway&Sonsだというのも今回初めて知りました。

そのスタインウェイ、ニューヨークもハンブルグも最近のものは昔のような良い木材が、
手に入らなくなり質は違っているが、特にハンブルグ製のピアノが、ハイテクによる画一
的な製品管理と、昔から培われている職人の技術伝承がなされていない事が、音の
違いに現れているという。

世の中には銘品と呼ばれているものがいくつかある。
楽器でいえば、ベースで有名なアレンビック、自転車の部品で言えば、カンパニョーロ
のレコードなどがある。そして、みな各々共通した特長がある。
まず、驚くほど高い。また他と性能がまったく違うが、出来具合が見た目でも他とは全く
違う事。さらに修理しても見合う程、高性能を長い期間に渡って維持出来る事である。

経済社会を生き抜く為には、コストと市場占有率は大切な要素である。需要がより安く
と望んでいるいる限り、企業もそれに答えなくてはならない。その為、銘品が世の中から
消えていく。消費者がより良い製品を作らせる状況を作らなくてはならないし、また、より
良い製品を作る出す事が出来ないでいる経済の在り方も問題ではないか?
何でも安ければいいのなぁ〜と思ってしまう。
このスタインウェイの話を読んで、この事がとても気になる。




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