NO,008

■ すき焼き通

10月

著者:向笠 千恵子
出版:株式会社 平凡社

ご存知「日本の朝ごはん」の著者 向笠千恵子さんの書いた「すき焼き」の本である。
すき焼きの歴史に始まり、牛肉の産地別の味の違い、老舗の東京下町のすき焼きの味、
さらに全国のすき焼きの味を探訪し、日本人のすき焼きとは?を著している。

「すき焼き通」って言葉がいいねぇ〜。
本書を読んできたら著者の母親は日本橋生まれ、その母と一緒に東京の下町のお店を
廻る。すき焼きをどう食べるのか?その食べ方や会話が、文面から懐かしい江戸弁の
テンポに乗って聞こえてきそうな気配がある。
著者の語り口はいつも爽やかで小気味良いが、その基に江戸弁のテンポの速いリズム
があったんだと初めて知った。

どこのすき焼き屋が美味しいか?どう違うかは本書を読んで実際にお店に行って、
確かめるしか無いが、どこにしようか?と食べる前の楽しみを堪能したいのであれば
本書はまさに「すき焼き通」になりたい人の為の本である。




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空の写真 今月の本(2010)
面白かった本などを紹介します。
2010年に読んだ本の中からの紹介です。