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NO,004 |
■ チロリとブルースマンの約束
3月
著者:上之 二郎
出版:株式会社 創美社
アメリカで成功した、ブルースマンと日本初めてのセラピードックの物語。
ブルースシンガー大木が、アメリカに渡り成功を収める。そんなアメリカでの生活で、ある日、
ニューヨークの高齢者施設で背中に赤十字のマークを付けたベストを着た犬を見る。
これが大木が初めてセラピードックを見た瞬間であった。
アメリカと日本を往復しながら仕事では成功し、十分満足をしながらも、何か社会に役に立つ
ことをしたいと大木は考える。
幼い頃、一家離散になりその時飼っていた犬と別れなければならなかった悲しい思いから、
自分にできる事として、アメリカでのセラピードック支援活動を行う。
これが大木の仕事でのストレスを和らげてくれる事ともなる。
が、ある時お前は日本人ならなぜ日本でセラピードックの支援活動をしないのかと言われ、
ショックを受ける。当時日本ではまだセラピードックはいなかった。
本書はここから始まる。
日本のセラピードック第一号であるチロリと大木の物語である。日本のセラピードック第一号で
あるチロリは保護された犬である。あと一日遅ければ処分されたいた犬である。
心無い飼い主や一部の個人ブリーダーが自分自身の管理ミスにより、生まれた雑種の子犬や
子猫らを棄てる事により施設に送られる。犬の場合には五日でガス室に送られる。
この施設を管理している職員の多くは、動物が大好きな獣医やその関係の方々という悲しい
現実がある。
ちなみに我が家の猫二匹も棄てられ施設に行く直前に、動物保護ボランティア団体に助けられ、
縁あって我が家に来た。この猫達も動物保護ボランティア団体に助けられなければ、ガス室に
行く運命だった事を考えると怒りと悲しみがこみあげてくる。
本書は、動物を飼おうと思っている人、今動物を飼っている人、かつて動物を飼った人は必ず
読むべき本である。
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