江戸TOKYO陰陽百景

NO.013

■ 江戸TOKYO陰陽百景

12月

著者:加門 七海
出版:株式会社講談社

以前、ローマミステリーツアーについて書かれた本を読んで江戸のミステリーツアーって
無いかなと思っていたが、まさにその手の本に出会ってしまったと思わせるのがこの本。

紹介されている江戸の名所は、
・小石川の貧乏神
・あちこちある富士塚
・秋葉原の柳森神社
・赤坂の日枝神社
・入谷の鬼子母神
・亀戸の亀戸天神
・三ノ輪の飛不動
・曳舟のこんにゃく稲荷
・春日のこんにゃく閻魔
・南千住の化け地蔵
・金町の縛られ地蔵
・王子の王子稲荷
・墨田の七福神
・神田の神田明神
・四谷のお岩稲荷
・浅草の今戸神社
・銀座のお稲荷さん
・秋葉原
・河童橋
・不忍池
・お化け坂
・縁切り坂
・本所の撫で牛
・両国
・祐天寺
・五色不動
・東京タワー
・新宿南口
・渋谷
・池袋
・上野
・都庁
・哲学堂
・東京競馬場
・芝公園
・東京駅

ところで、本著の著者は女性の伝奇小説作家、ローマの時といい女性の伝奇小説家が書く
この手のガイド本って妙に重く無くて面白い。
たとえば東京競馬場のくだりでは、「競馬場には魔物が棲んでいる−そう言うと、大きく
頷いて、泣き崩れる方も多かろう」ってそうじゃなくて・・・・と思わず突っ込みを入れ
たくなるような掴みなど、伝奇作家もおどろおどろしたものだけでは、つまんないだろう
なぁ〜と思ってしまう。

また、著者は風水に詳しいらしく、後半風水で見た東京名所ネタが増えてくる。
タイトルに陰陽とあるから風水もテーマなんだろうと思うが、前半のいわば曰くつき名所
の真打と比較するとやや説明口調となってくるのが、読むリズムを狂わせる。
が、全体としてへぇ〜ネタが多くあり、知らなかった事やだからあれと繋がるんだとか、
色々と新しい発見がある。

ツアーにはシナリオとかは無いのかも知れないが、こんな作者が書いたコメントをツアー
ガイドの方が喋るミステリーツアーがあったら、外国人だけではなく、日本人も十分楽し
めるお江戸観光ツアーになると思うんだけど、だれか考えませんかね。



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2011年に読んだ本の中からの紹介です。