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NO,001 |
■ 墓は造らない
1月
著者:島田 裕巳
出版:大和書房
わが夫婦には子供がいない。また、二人とも長男長女である。
弟・義妹はいるが、子供は両方とも女の子である。
父は一人っ子であり両親とも死去した。
義父・義母もなくなり、義父の兄弟は女性しかおらず嫁いでいる。
つまり、わが夫婦は二つのお墓の墓守であり、いずれお迎えが来た後には、誰も墓の
面倒を見る人がいない。
そうならないうちに、お墓の処分を行わなければならないんである。
そんな事を調べているうちに出会ったのがこの本である。
本書は人口が減少していく中、我が家のような問題を抱えながら、結果誰も管理しない
荒れ果てたお墓が多く存在しる現状、また、新たにお墓を造る事の場所の問題とコスト
の問題からお墓を造れないでいる現状を伝えている。
さらに今後、お墓を造る・造らないは、社会の大きな問題になるであろうとも著わして
いる。さらにさらに、お墓を造るという事は、環境破壊にもつながるとまで説いている。
現在のようなお墓のあり方は、土葬から火葬に変わった明治以降の風習であり、あまり
歴史の古い風習ではないらしい。また、欧米での埋葬方法は穴にお棺を入れたらそれで
解散となり、埋めるまで誰も見届けないらしい。お墓も記念碑的なものらしい。
では、お墓を造らないでどのように死者を葬るのか?
その方法は、信仰のある人は「本山供養」、信仰のない人は「散骨」や「樹木葬」など
があるそうである。
ちなみに、新たにお墓を造るとなると数百万円から数千万円かかるらしい。
葬儀も入れると、家を新築する以上の費用となってしまう。最近増えている生活保護の
方にはとても無理である。
ちなみに人をご招待しての葬儀を挙げずに、数万円で火葬場で行う事も可能だが、お骨
を墓に入れないでそのまま置いておくと死体遺棄になる場合もあるらしい。
「このままでいいの?」
今後大きな社会問題にあるであろうお墓の問題、お墓がある人も無い人も一度は読んで
おくべき本である。
ちなみに我が家のように既にお墓はあるが、今後維持出来ない人はどうしたら良いのか
についても触れて欲しかった。
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