美しき」ハンドメイド自転車たち

NO,004

■ 美しきハンドメイド自転車たち

  2月

出版協力:東叡社
出版:株式会社 グラフィック社

前回の本の紹介に引き続き、とんでもない道楽の世界が続いているんだなぁ
と感心してしまい、勢い余って買ってしまった二冊の本のうちの一冊である。

日本の現代に残る工芸品ではないかと思われる、ハンドメイド自転車の老舗「トーエイ」の
自転車109台が紹介された本。

こんな、工芸品のような自転車を自分で持てるなんてすばらしいと思うが、お金だけ出せば、
簡単に出来るものではないらしい。
もっとも、そのお金も半端じゃないけどね。

ところで本書で紹介されている自転車の種類は、街乗り用・中長距離旅行用・レース用の
三種類に大別される。
各々、街乗り用として、ポーター・プロムナード・ミニベロ
中長距離旅行用として、ランドナー・スポルティーフ・クラブモデル・タン
デム・ツーリスト・シクロツーリズム・グランツーリズム・キャンピング
レース用として、ピスト・ロードレーサー
などがある。

ところでハンドメイドする資格であるが、街乗り用ではどんな使い方をするのかが問われる。
たとえばポーターでは、何を搭載しその重量はどのくらいとか・・・
また、中長距離旅行では、自分の気に入ったパーツを選び、一部は既に所有している自転車
で使い勝手を検証した上で、パーツアッセンブリから始める必要がある。さらには、自らが
フレームシャフトの鋼材を持ち込む事もある。
さらに、レース用では、体脂肪を20%以下にしてからオーダーしなくてはならない。
パーツの肉抜き加工のその前に自分の体重を落としてからという訳である。
そしてみな共通しているのが、既製品の自転車を数台乗った上でどうしたら自分に合うかを
熟知してからハンドメイドに臨む点である。
なお、オーダーしてもハンドメイドなので、出来上がるのは2〜3年かかるらしい。

そんな思いを込めて、出来たハンドメイド自転車。
現代の日本の一級の工芸品である。いつまでも残していきたい文化であろう。





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2012年に読んだ本の中からの紹介です。