私が愛した自転車パーツ

NO,003

■ 私が愛した自転車パーツ

  1月

著者:中堀 剛
出版:株式会社 グラフィック社

正月、久しぶりにインターネットで思いついた単語で色々と検索していたら、最近は自転車
のランドナーブームが密かに進行しているらしく、その手の話題が色々と見つかって懐かし
くもあり、また、とんでもない道楽の世界が相変わらずに続いているんだなぁ〜と感心して
しまった。
そんな時、勢い余って買ってしまった二冊の本のうちの一冊である。

以前、「自転車依存症」という本を紹介したが、最近、自転車乗りは増えてきたものの、
この世界は、たぶん殆ど男性がのめり込む世界であり、女性の愛好家はごくごく一部だけで
あり、それ以外の女性には理解できない世界だろうと思われる。

今時自転車が二万円出しておつりが来る時代、変速機のレバーだけで2万円以上する世界
って何??と思われても仕方ないかもしれない。
それだけに、ここには、その魅力に取りつかれてしまう魔の世界が広がっているんである。

さて本書は、ビンテージパーツを紹介している。
ここには、今流行りのカーボンフレームに合うパーツは存在しない。
昔懐かしい、クロモリの鉄フレームに合うパーツばかりである。
そのフレーム以外のパーツとして、駆動系・インターフェィス・その他の部品に分かれて
紹介されている。

駆動系としては、
クランク
チェンホイール
ボトムブラケット
後変速機
前変速機
シフトレバー
チェーン
フリー
リム
ハブ
クリックシャフト
タイヤ

インターフェイスとしては、
サドル
シートピラー
ハンドルバー
ステム
ブレーキ
ブレーキレバー
ペダル
バーテープ&バーエンド

その他部品として、
マッドガード
ヘッドランプ
テールランプ
ダイナモ
ヘッドパーツ
ホンプ
バッグ
工具
フレームチューブ

本書で、楽しいのはその解説である。
曰く、「昔のカンパがどれほど偉かったか、を示す事柄にコピー商品の存在があります。
(中略)当時としてはパチモンですが、後世の私たちは、それを面白がってニセカンパの
フルアッセンブルなどという遊びかたもできるのではないかと思います。」なんて、わからん
人にはまったく解らんし、わかったとしても、相当高度な屈折した世界だろうなぁ〜と
思ってしまう。
また、紹介しておいて、この世界にはけっしてのめり込んではいけないと、常に警告を促
している。
紹介しておいてそれは無いだろうというのが、この世界を紹介しているこの手の本に共通
している変な特徴である。




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2012年に読んだ本の中からの紹介です。