次の生き方

NO,008

■ 次の生き方

  5月

著者:森 孝之
出版:株式会社 平凡社

UKIの考えている事をかなり前から実践している方である。
共鳴する部分が多い。
それを、現在も精力的に実践し続けている。
UKIと違うのは、その行動力の旺盛さと妻の理解と協力がある事である。

父が体を患い、家族が最低限食べていけるよう京都の郊外に土地を求めて果樹と野菜を
育てる環境にいた著者は、成人し、企業戦士となっても週末にはその土地の管理維持を
行っていた。
そして、戦後、急成長するビジネスの社会で、消費し棄て去る事を美徳とする生き方に
疑問を感じ無駄を出さずにすべて自然に戻す循環型農法を始める。
堆肥は、果樹を植えている山林の落ち葉を拾い、コンポストと微生物醗酵で処理された
トイレの糞尿を寝かせて作り、畑に撒く。
鶏を飼い、関西の個人住宅では初めてソーラーパネルを採用し、排水は土に戻して地下
水脈に流れても安心できるよう洗剤を極力使わないように配慮したり、循環型の生活を
かなり以前より実施されている。

その京都の地で行っていた自己の循環型生活を自分だけで終わらせるのではなく、多く
の方に知って頂こうと、京都の郊外住宅地として開発され始めたその地の山林と菜園を
一般の方いも解放して見て、参加できるようにした。
以来、多くの人が集い、時流もエコや循環型生活に興味を示す人たちも増え、先駆者的
な著者の周りには、たえず、そのような交流・活動が続いている。

この本には、学ぶ事が多い。

ちなみに著者は、「無量庵」よりも多くのコラムをサイト「自然計画」で紹介されている。
興味のある方は、ご覧になったらいかがでしょう。




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面白かった本などを紹介します。
2012年に読んだ本の中からの紹介です。