古代史津々浦々   

NO,003

■ 古代史津々浦々

  4月

著者:森 浩一
出版:株式会社小学舘

1997年に出版された本なので、その後に新たな発見があり、
記載されている事柄は変わってきているかも知れないが、ここに
記載されている事は、今まで知らされていた歴史の事実とは少し
ばかり違う。と、いうより、今まで知らされていなかった事が、
多く語られている。

例えば、
日本でその数と密集度からいっても、圧倒的に多くの竪穴住居の
遺跡があるのが、オホーツク海沿岸の常呂遺跡である。
とか、
古代の港は自然の津を活用して発展したが、太平洋沿岸の津は、
浅く砂に埋もれ易く、日本海の津は比較的深くまた、適当な距離
を置いて点在していた為に海運が発展して、北国回船として江戸
時代まで続いた。
とか、
その太平洋沿岸の航海は、黒潮に乗って行われた為に伊豆七島の
神津島まで黒潮に乗り、そこから北に進路をとって関東や東北に
航海をした。
とか、
邪馬台国はどこかとの話題に有利な、奈良の弥生時代の遺跡は、
実は余り数が無く、古墳から出た鏡が邪馬台国国の証だと言うが、
その鏡の形式は贈られた中国には無く、どうやら日本で作られた
ものらしい。
とか、
古代九州の交易は、博多中心では無くて有明海沿岸だったらしい。
とか、
今まで余り知らされていなかった事が、多く語られている。

また自身の考えとは言っていないが、権威ある歴史学者が、酒の
席で思わず漏らした「継体天皇はひょっとしたら新羅から来たの
かもしれない。」という言葉が忘れられないとも言っている。

定説とされている歴史を疑い、時には違う説を検証してみると、
新たな何が見えてくるかも知れない。









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