NO,007

■ 自転車ぎこぎこ

  8月

著者 朝日新聞社 記者
出版 朝日新聞社

著者 伊藤 礼 
出版 株式会社 平凡社

少年の頃迄はサイクリングによく出掛けていたのだが、高校生に
なってからは、他の色々楽しい遊びを覚えすっかりサイクリング
に行かなくなってしまった。ここ数年前から、またサイクリング
に目覚めてからは、野菜作りと釣りとサイクリングが休日の日課
となってしまった。さらには、平日の出勤前のひととき小一時間、
近くの川沿いを自転車で走る事が毎日の楽しみとなってしまった。

そんな自転車好きが復活する数年前に読んだのがこの本。
それから10年、自転車好きが復活した後で、改めて読み返して
みた。

著者は、大学教授を退任された70過ぎの爺さん。自転車に乗り
始めたのが60代半から。大抵この歳から乗り始めるのはシニア
カーが普通で、自転車に乗り始めるには高齢過ぎると思われるの
だが、廻りの仲間が自転車に乗っていたで触発されたらしい。

自転車に乗り始めると面白くなり、あちこち出掛けて100km
を走る程に上達する。今まで移動は電車や自動車だけだったのが、
自分の足でゆったりとした速さで走る事で、改めて見えてくる物
が在る。
洒脱で、笑える著者の文体から、自転車の楽しさと人生の機微を
感じる事が出来る。読んでいて楽しい本である。

文中、一番笑えたのが、自転車走行に関する事。
道路交通法では、自転車は車道の左側を走る事になっているが、
逆走をする自転車が大変多い。その事を著者はこんな文章で以下
のように怒っている。

「女子高生も中学生も、出鱈目である。頭に朝の字が付く新聞社
の社員だった私の友人も平気で右側をはしる。最近同席したNで
はじまりKでおわる某放送局のしたり顔のディレクターも、左側
を走るんですか?などと言った。」

UKIがまた自転車でサイクリングを再開した要因のひとつが、
この本だったなぁ〜と改めて実感した一冊であった。










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面白かった本などを紹介します。
2017年に読んだ本の中からの紹介です。