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NO,001 |
■ 食べることは生きること
1月
著者 近藤 文夫
出版 株式会社 幻冬舎
池波正太郎のファンなので、いつかは近藤青年の天ぷらを食べて
みたいと兼々思っていたのだが、ようやく機会が有り、近藤さん
の天ぷらに出会う事が出来た。
その天ぷらは、本書で著者自身が述べているが、正に「蒸し物」
であった。
世界一とも呼ばれている「銀座 こんどう」の天ぷらとは何か?
本書を読むと、なるほどこの味と香りが、正にに天ぷらの世界一
に成るべくして成ったと実感が出来る。著者が、天ぷらを揚げる
真摯な姿勢がどこから来るのか?そこに至る著者の考えが本書を
読むとよく分かる。
どうしたら、素材の持つ味、香り、食感を引き出せるか?また、
農作物を育てる農家や、魚介類を仕入れる築地の仲卸の方々との
方々との付き合いの仕方や、自分を育ててくれたお客様の事等、
著者の信条が著されている。
お店のカウンターの向こうで、真摯な姿で天ぷらを揚げている、
その姿と同様に、本書を読むと、その人柄が滲み出てくる。
ぜひ、「銀座 こんどう」で天ぷらを食べてから、本書を読んで
頂きたい。
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