妄想かもしれない日本の歴史


■ 妄想かもしれない日本の歴史

  5月

著者 井上 章一
出版 株式会社 角川学芸出版

面白い歴史書である。
ここに書かれている歴史の解釈は、あくまで著者の私感である。
だから、妄想かもしれない日本の歴史というタイトルらしい。
だが、こういう角度で歴史を再考してみると、それも有りかな
と思わせる内容である。

本書の中で、特にUki が気になったのが、采女について。
律令制が出来た時に明文化された法令に采女が有るんだそうで
ある。これを、現代の教科書では触れていないのだが、それは
変だと著者は言う。采女とは、各地から容姿端麗な子女を朝廷
に差し出せという制度、どの国でも昔は、支配者が側女を置い
たが、法令に謳った国は日本しか無いらしい。
そのような、特筆すべき歴史を何故、教科書で触れないのか?
と著者は疑問を呈している。

UKIは、今迄、この事を知らなかった。
采女とは、お手伝いの女性位にしか思っていなかった。

また、これは本文では無く、あとがきに書かれている事だが、
第二次世界大戦の時に徴兵され、戦地に赴く途中で亡くなった
悲劇の野球選手、沢村栄治は、巨人軍の名ピッチャーだったが、
徴兵された時には、既に野球選手としてのピークは過ぎていて、
巨人軍からは戦力外通告を受けて、その時は、巨人軍の選手で
は無かったんだそうである。

この事もUKIは知らなかった。

著者は、何故、天下の報道機関である読売新聞が、既に、自身
の球団がクビにした事実を伝えず、巨人軍の悲劇の選手として
アピールするのか?
ここに、歴史とはいかにその時の力が、自身に都合が良いよう
に改ざんしていくのかが、垣間見えてくる。

こんな風に視点を変えるて見てみると、違った形で見えてくる
歴史が本書には溢れている。興味の有る方は、本書を手に取り、
ページをめくってみる事をお薦めする。







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