超麺通団


NO.010

■ 超麺通団

4月

著者:田尾 和俊
出版:有限会社 西日本出版社

何か聞いたようなタイトルの本だなぁと本を手に取ったらやっぱりそうだった。
あの「恐るべきさぬきうどん」の著者 田尾さんの本ではないか。
「にちゃんねる」では田尾社長何やら社長業を止めたらしいという噂が飛び交いどうしたん
だろうと思っていたら、こんなところでしっかりと本を出していました。おまけに著者の略歴を
見ると退社後(株)タウン情報全国ネットワークの取締副社長となり、前の会社の顧問や
四国新聞客員論説委員、高松芸術文化市民協議会理事などの肩書きを持ち、さらに高松市
文化推励賞を受賞したとある。恐るべき香川県である。
(ところで、この人が新聞の論説委員になったらどんな事言うんだろう。一回香川県に行って
みたい。)

タイトルは、ズバリ「ゲリラうどん通ごっこ軍団、略して麺通団」(どこが略だぁ!)というつっこみ
をこよなく愛する著者の意向を踏まえた「超麺通団」というタイトルである。
何やら「恐るべき・・・」というタイトルの使用権は前の会社に置いてきたとの事で使用出来な
かったとの事(あんた顧問やろ!)と思わず突っ込みたくなるが、多分それも著者の計算づく
であろう。

あの本以来さぬきうどんブームに火が付き、年中あやしさ大爆発の製麺所系セルフさぬき
うどん屋に行列が出来、香川県がディズニーランドに次ぐワンダーランド化した責任を著者が
感じたのかどうか、まだ知らない読者に分かり安いさぬきうどんとは何か?を説いている。
ちなみにこの盛り上がりは、かの地イタリアの「スローフード運動」よりもさらに奥深いかもしれ
ない。著者は、色々肩書きが増えたせいか、その書き口は幾分柔らかくなったものの相変わ
らずの田尾節は健在である。この手の本は、絶対に公衆の面前では読んではいけない。
特に通勤電車の中では禁物である。

かつて学生時代があったUKIも通学電車の中でマンガ本を読んでいた時突然電車が混み
出してドアに押し付けられた際、当時人気があった「進めパイレーツ」というタイトルのマンガの
ページが開きストーリーとはまったく関係の無いマグマ大使が出てきて吹き出しで「まっ・」とい
う絵が目に飛び込んだ。そのドアは、これから約20分間開かない。その20分間笑いを押し殺し、
涙が溢れるのをじっと堪えた事がある。この苦痛はトイレを我慢する事と同等かそれ以上の、
苦痛を伴う。
電車の中で突然ニヤけるとほぼ間違いなく廻りの人からは、危ない人と見られてしまう。
要注意である。絶対この本は満員電車の中では読んではいけないのである。

ところで、今だに続編が出版されている「恐るべきさぬきうどん」の方では本に本物のさぬき
うどんが付い
ている。相変わらず「恐るべきさぬきうどん」である。











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空の写真 今月の本(2003)
面白かった本などを紹介します。
2003年に読んだ本の中からの紹介です。